拡大するChief Sustainability Officer(CSO)の影響力


CSOとは?

海外の企業サイトなどを見ていて、チーフ・サステナビリティ・オフィサー(Chief Sustainability Officer: CSO)という役職をよく目にします。経営を司るChief Executive Officer(CEO)、財務を司るChief Financial Officer(CFO)と同様に、組織のサステナビリティ(持続可能性)に関する事項を統括する責任者です。米国のコンサルティング会社Weinreb社の調査によると、米国の上場企業では2004年に化学大手のDuPont(デュポン)社が初めて任命し、今では多くの企業がCSOを置いています。試しに、LinkedInで“Chief Sustainability Officer”を検索してみたら5万件弱もヒットしました。日本企業ではまだ少ないようですが、最近では2016年5月に日産自動車がCSO職を新設しています。

CSOってどんな人?

これから日本でも注目されそうなCSO、その背景には株式市場の動向があります。環境・社会・ガバナンス(企業統治)を重視するESG投資への気運が高まる中で、サステナビリティや企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility: CSR)への取り組みを経営・事業戦略といかに連動させていくかが問われるようになってきています。つまり、企業のガバナンスの問題であり、そこでCSOの重要性と影響力が増してくるといえそうです。

では、CSOってどんな人なんだろう? ということで、プロフィールやメディアでの発言を一部紹介します。

Nike社 Hannah Jones氏

発言例(2016年5月):

“環境負荷を削減するのに、漸進主義と効率化策では悪影響を減らすだけであり、不十分です。私たちは、環境負荷を半減しつつビジネスを倍増させるという壮大な挑戦をしようとしています。環境負荷の削減については、2020年に向けた高い目標を立てていますが、それらは達成が見込めています。それとは別に私たちがめざす壮大な挑戦とは、技術革新と制度・仕組みの変革です。サステナビリティは、ビジネスモデルと製品を一新するイノベーションへの挑戦なのです。

出典元:Sustainability Is Out, Responsible Innovation Is In

IKEA社 Steve Howard氏

発言例(2016年7月):

“企業は、より高い目標を掲げて気候変動への戦略を全力で遂行しなければなりません。全力でとは、つまり、CO2排出量を削減するなら目標を「100%」にすべきだということです。”

出典元:IKEA argues for businesses to go all-in on sustainability

L'Oréal社 Alexandra Palt氏

発言例(2016年5月):

“企業サステナビリティを成功させるには、効果を測定し、かつ実務を担当する従業員・部門の成果をきちんと認識すべきです。目的を成し遂げるために、実務者にきちんと報いるのは、企業管理の基本です。”

出典元:An inside look at L'Oreal's sustainability makeover

CSOたちのミッションとは

CSOの実働部隊となるサステナビリティチーム(CSR担当部門)の多くは、これまで人員も予算も少ない広報やレポーティングの部署でした。NikeやIKEA、Nestléなどの各社がCSOのもとでサステナビリティに関する成果を上げてきた近年、彼らの役割が注目され、重要性が高まってきています。

ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の研究によると、彼らの仕事は、コンプライアンス啓発や社内外へのCSR広報から、再生エネルギー利用や排水・排気負荷の削減によるコストダウンなどビジネスの効率を高める業務へと広がりを見せています。そして最も重要な役割は、自社のビジネスモデルにサステナビリティを統合させることです。CSOたちの最終目的は、企業活動の域を超えて地球温暖化などもっと大きな社会的課題を解決することでもあります。

参考文献:What Do Chief Sustainability Officers Do?

“CSO”たちのメッセージを広げよう

CSOたちは情報発信にも積極的です。こちらはIKEA社のCSO、Steve Howard氏のインタビュー動画で、自社サイトでも紹介されています。森林に対するCSO自身の思い、そしてIKEA社のサステナブルな森林管理に関する施策と目標・成果を語っています。

企業サステナビリティを実現し、社会的課題を解決していくのは、もちろんCSOの独力ではありません。社内外の理解を得て、目的意識を共有して臨むことが必須です。経営陣・従業員、サプライヤー、ビジネスパートナー、顧客、株主など多くのステークホルダーを巻き込んでいくための積極的なコミュニケーションを、企業の皆様にぜひおすすめしたいと思います。

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